先日、研修に出ました。
民法改正により、配偶者居住権が制定されるのは
割と広まってきているかと思いますが、
配偶者居住権ができますと相続実務がかなり
大きく変わりそうというお話でした。
配偶者居住権は、一般的には、
相続人が先妻の子と後妻というようなケースにおいて、
先妻の子が自宅の所有権を取得した際に、同居していた後妻が
住むところがなくなってしまうということを防止するために
設けられた制度と私も理解しています。離婚が多くなってきている
時代背景があるのです。
ですが、配偶者居住権を一定期間あるいは終身で設定しますと、
それについて相続税評価が付きます。逆に所有権の方はその部分が
控除される形になります。ですので、二次相続対策などを
考えますと、仲の良いご家族であっても、税金の観点から
一次相続のときは配偶者が配偶者居住権を取得し(小規模宅地等の特例も活用し)、
二次相続のときには、その配偶者の死亡によって、配偶者居住権が消滅して、
子が取得していた配偶者居住権が設定された土地は通常の所有権として
完全に戻るためにその部分については相続税が課されないということに
なります。ですので、一次と二次のトータルで考えたときにはより慎重に
考えないといけません
(逆にこれが原因で分割がまとまらなくなる可能性ももしかしたらあるかも
しれません)。
登記が必要になってきますので面倒な手続きはありますし、
配偶者居住権の設定された土地ということで利用価値も
文字通り下がりますが、一般的に普及していくのではないかと思います。
2020年4月施行です。
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