直後期末

 相続税や贈与税で株価を計算するときに、

類似業種比準価格は直前期末しか使えません。

一方、純資産価格については、

原則として課税時期の評価となりますが、増減著しくない場合には、

直前期末で良い、とされています。これを

さらに考えますと、直後期末のほうが近くて、直前期末よりも

直後期末のほうが課税時期の評価として適切というときは

直後期末の数字で評価したほうがよいということになります。


 1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算は、課税時期に

おける各資産及び各負債の金額によることとしていますが、

評価会社が課税時期において仮決算を行っていないため、

課税時期における資産及び負債の金額が明確でない場合において、直前期

末から課税時期までの間に資産及び負債について著しく増減がないため

評価額の計算に影響が少ないと認められるときは、

課税時期における各資産及び各負債の金額は、次により計算しても差

し支えありません。

イ 「相続税評価額」欄については、直前期末の資産及び負債の課税時期の相続税評価額

ロ 「帳簿価額」欄については、直前期末の資産及び負債の帳簿価額


 それで、実際問題どのへんまで直後期末を使ったほうがよい

かというのが難しいところです。中小企業の場合にはなかなか

仮決算まで取り組める余力のあるところはないかと思います。

例えば、贈与税の申告を考えたときに年末に贈与をします。

 12月決算とすると、直後期末のほうが適切と思います。

すると、2月ぎりぎりまで決算を固めるのにかかったとしますと、

3月の15日間で株価の評価と申告まで行わなければなりません。結構つらいですが、

経験あります。

 1月決算とすると、年末の贈与の場合には直後期末の数字が固まるのが贈与税の

申告期限後ということになりますので

(1ヵ月で法人決算固めろという声もあると思いますが)、

直前期末を使わざるを得ないということになるでしょうか。


 

さくら坂税理士法人(旧:河野太一税理士事務所)

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