合算課税

 タックスヘイブン税制に関する論点を二つ。


ひとつは、タックスヘイブン子会社において赤字が

生じているときの取り扱い。その赤字は親会社と通算

することはできない。繰り越しはできるようだが。

特定外国子会社等に生じた欠損は親法人の損金に算入できず(2007.11.21)

特定外国子会社等に生じた欠損は親法人の損金に算入できず タックスヘイブン税制の問題点をクローズアップ  最高裁判所第二小法廷(古田佑紀裁判長)は9月28日、パナマに設立した100%子会社(A社)に生じた欠損が親会社(上告人)の損金に算入することができるか否かについて争われていた事案に対し、「上告人の所得の金額を算定するに当たり、租税特別措置法66条の6第1項所定の(タックスヘイブン税制の)当該内国法人に係る特定外国子会社等に生じた欠損の金額を損金の額に算入することはできない。」などと判示し、海運会社(上告人)の上告を棄却する判決を言い渡した。 事案の概要  本件は、海運業を営む内国法人である上告人が、パナマ共和国(以下「パナマ」という)において設立した100%子会社であるA社に生じた欠損が実質的には親会社である上告人に帰属するとして、これを上告人の損金に算入して本件各事業年度に係る法人税等の申告をしたところ、被上告人(税務署長)から、A社の欠損を上告人の損金に算入することは措置法66条の6の規定の認めるところではないなどとして、法人税等の更正及び過少申告加算税賦課決定を受けたので、これを争っていた事案である。課税の経緯  上告人は、昭和58年6月にパナマにA社を設立して以来、A社名義の資産、負債および損益はすべて内国法人親会社である上告人に帰属するものとして法人税および消費税等の確定申告をしており、本件各事業年度等においても、同様に、A社名義の資産、負債および損益が上告人に帰属するものとして青色申告を行った。  税務署長は、次のように更正の理由を附記し、更正処分等を行った。「貴社がその発行済株式の全部を保有しているA社(パナマに本店を有する外国法人)は、下記の事実関係より、租税特別措置法第66条の6第1項に規定する特定外国子会社等に該当し、かつ、同条第3項に規定する適用除外の規定の適用がないため、同条及びこれに基づく租税特別措置法施行令第39条の15の規定においては、特定外国子会社等に生じた所得から控除することは認められているものの、貴社の所得金額から減額することは認められていません。」下級審の判示  一審(松山地裁)は、「特定

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 黒字のときはがっつり合算するが、赤字は認めないということで

別の海運会社の人もとっても怒っていた記憶がある。


 ふたつめは事業税の取り扱い、

事業税については基本的には法人税の課税所得を用いて計算するものの、

外国の事業所に帰属する所得については事業税の対象にならないのだが、

(ちなみに法人税において

外国税額控除の適用を受けるために

国外事業所等帰属所得の明細を作成して提出した場合にはその

計算方法によらないといけない)

これについても合算対象となった子会社の事業所の帰属する所得は、

事業税の対象となるようだ。長年疑問に思っていたので、

東京都主税局の人に質問してみたら、やはり

子会社のPEはあくまで子会社のPEで

申告法人のPEではないので法人税の取り扱いから調整不要です、と言われた。

なんか変な気がするので、誰かトランプ大統領に電話か手紙をしてほしい。


年々この特定外国子会社の課税留保金額益金算入規定が

厳しくなっているので、

シンガポールあたりから資産や事業を引き上げる

意向の人が増えているらしい。


さくら坂税理士法人(旧:河野太一税理士事務所)

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