収益の帰属時期の特例のもうひとつ、
工事進行基準は主に建設業における請負工事において
完成時点まで待たずに工事の進行状況に応じて売上を計上していく基準です。
建設業に限らずソフトウェア開発業やコンサルタント業なども請負業務に対しても
適用が考えられます。
なお、税務上は長期大規模工事に該当しますと工事進行基準が強制となります。
長期大規模工事とは、
① 工事の着手日から引渡しの期日までの期間が1年以上であること
② 工事の請負対価の額が10億円以上であること
③ 工事の請負対価の額の1/2以上が目的物の引渡期日から
1年以上を経過する日後に支払われるものでないこと
のすべてを満たすものです。この場合、完成基準が認められず進行基準によって
見積総原価に対するそれまでの売上原価の割合に対応する売上を毎期計上していきます。
一方、会計では工事進行基準の適用に対して慎重です。なぜなら、工事進行基準はかなりの
見積が含まれるからです。「工事進行基準 粉飾」と検索すると記事がたくさん出てきます。
工事の損失が見込まれることが分かった場合には
進行時点で工事損失引当金を積まないといけないですが、
そのようなことがされずに各工事が完成間近になって
急に赤転するという奇妙な現象が起きるようです。
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