調整対象固定資産と高額特定資産

 消費税のややこしい話で還付を受けていた事業者が多かったために

いろいろと対策ができて、複雑になってしまいました。

 まず、調整対象固定資産です。

税抜き100万円以上の固定資産を以下の期間に取得した場合に3年間は

免税事業者に戻ること(課税事業者選択不適用届出書)と

簡易課税制度を適用すること(簡易課税制度選択届出書)が

できません。

①「課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となった事業者の強制適用期間

② 資本金1,000万円以上の新設法人の基準期間がない期間(1年目、2年目) 

③ 特定新規設立法人の基準期間がない期間

これは調整対象固定資産については、3年目において通算課税売上割合によって計算し直して

場合によっては還付を受けた消費税の一部を納付せい、という規定があるからです。

 ですが、昔に簡易課税の届け出を提出していて、たまたま基準期間の課税売上が落ちて

簡易課税制度になってしまったわー、という場合はOKでした。

これによって、私もたまたま還付を数千万円受けた事例の申告をしたことがありました。

狙ったわけではないですよ。


 これに対して、高額特定資産の規定が新たにできまして、

棚卸資産または固定資産で税抜き価格が1,000万円以上のものを取得した場合には、

上記の①~③の期間に関わらずすべての場合において3年間は原則課税が強制されます。

ですので、高額特定資産については調整計算が行われて還付消費税の取り戻しが行われます。

これで万事休すかと思いきや最近では、その取り戻し計算を回避するために金地金の取引を重ねて

通算課税売上割合を大きくする方法というのがある模様です。


 本当に大変になってきていますが、平凡な事例でミスをしないようにすることが

大切です。ちょっとした車の購入でも調整対象固定資産として3年縛りが出てきますので、

特に新設法人は消費税の注意が必要です。


さくら坂税理士法人(旧:河野太一税理士事務所)

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